オーストラリア・シドニー
神宮司まりも
「…以上が、豪州軍から得られた
情報です」
『誰』
「フェイズ4のエアーハイヴ…。
光線級が出現した時から
覚悟はしていましたが…」
神宮司まりも
「エアー湖は豪州大陸の中心より
やや南東寄りの場所にあります。
現在のハイヴの勢力圏は――」
神宮司まりも
「同心円状に大陸全域に渡って
おり、グレートバリアリーフや
ブリスベンはその外縁です」
神宮司まりも
「シドニー及びキャンベラでも、
50キロの地点まで接近を許して
しまっているとのことです」
香月夕呼
「…で、豪州軍の要求は、補給を
させる代わり、BETAの迎撃に
協力しろって事なのね?」
『誰』
「司令、補給を受けなければ
ならない以上、やむを得ない
のでは?」
香月夕呼
「そうね、ここはひとつ気前よく
全面協力すると伝えて頂戴。
『誰』、よろしく」
『誰』
弱みを見せない為には仕方ない。
だがどうも司令には更に何か
思うところがありそうだが…?
神宮司まりも
「状況終了、『誰』大尉、
直ちに帰投してください。
深追いするのは禁物です」
『誰』
「了解――しかし奇妙だ。
何故BETAは突然キャンベラに
進路変更したんだ!?」
香月夕呼
「良かったじゃない。おかげで
豪州軍は全滅せずに済んだ。
BETAに感謝しなくちゃね」
香月夕呼
「まったく、最後方にいて練度
不足って何よ。でかい口
叩く割にはさっぱりだったわね」
『誰』
「でかい口…協力要請の際、
何か言われたんですか?」
香月夕呼
「…とりあえず戻って来なさい。
色々気になる事もあるし、
即応体制を整えといて頂戴」
『誰』
「了解!」
『誰』
BETAの転身や豪州軍の動きは
奇妙だ。司令はどうやら見当が
付いているようだが…。