南アフリカ・山岳地帯

「お待ちしていました！大尉！
ご無事で何よりです！」



「ファング中隊こそ、よく俺達の
帰り道を確保してくれた。
感謝する！」



「残存ＢＥＴＡの殲滅を！…と
言いたいところだが、この数は
さすがに対処しきれないな」



「残弾は残り少ないし、戦闘継続は
困難よ！撤退しましょう！」



「後はアフリカ連合に任せれば
いい！彼等なら喜んで施設を粉々に
するでしょうよ！」



「そんな事ができるか！今アフリカ
連合軍を置いて行けば、彼等が
全滅してしまうのは明らかだ！」



「噂の独り歩きを恐れ、研究施設の
事を隠蔽していたのは上層部だ！
前線で戦う彼等に罪は無い！」



「ましてや、その愚策の尻ぬぐいに
差し出された者達だぞ！
ここで死なせる訳にいくかっ！」



「篁中尉、ここで俺達が斃れる事は
人類の命運に直結する。
冷静になれ！」



「ッ！！」



「『誰』大尉、撤退するなら
南へ！ＢＥＴＡの数が少ない！」



「了解！バオフェン中隊は、
小破状態の崔機を援護しつつ、
先行しろ！」



「殿は俺達とファング中隊が
努める！やれるかファング１！？」



「――了解、やれます」



「よし、行けッ！バオフェン１！」

「全部隊の撤退を確認！
後は我々だけです！」



「よし、この戦域から離脱する！」



「…………」



「イーグル１よりファング１。
神宮司だ。篁中尉、
レーダーを見ろ！」



「これは…アフリカ連合軍の
増援！？」



「崔中尉の言う通りだ。アフリカ
連合軍は施設破壊の理由を
欲しがっていたんだ」



「貴官らのおかげでそれができた。
だから彼等は重い腰を上げた！
わかるか？」



「貴官らの存在がアフリカ奪還の
一助となったのだ。この戦いで命を
落とす者が無駄死にな訳がない」



「神宮司少佐…」



「『誰』大尉、我が隊は
ここに残ってＢＥＴＡ殲滅を
継続する。世話になった！」



「少佐ッ！？」



「これだけの戦力があれば、簡単に
全滅などするまい。元より我々にも
果たすべき責務がある！」



「神宮司少佐…
ありがとうございました！！」



「行け！そしてこの世界を
元に戻すんだ！」



「――了解ッ！
全機発進！バオフェン中隊に
追いつくぞッ！！」