エジプト・戦闘シミュレーション
ウォーケン少佐
「では、改めて自己紹介といこう」
ウォーケン少佐
「私は米国陸軍第66戦術機甲大隊
所属、アルフレッド・ウォーケン
少佐だ」
ウォーケン少佐
「こちらは米国海兵隊のリリア・
シェルベリ中尉。我々は軌道降下
作戦に同行すべく赴いた」
『誰』
「これほどの規模となれば作戦の
成功確率も大幅に上がる!
有難い事です、少佐」
ウォーケン少佐
「…残念だがその期待に応える事は
やや難しい」
ウォーケン少佐
「我が米国は、世界融合事変に
より、国内各地に複数のハイヴを
抱える最前線国家となった」
ウォーケン少佐
「通信も交通も分断し、軍の機能…
いや、国家としての機能すらも維持
するのが困難な状況だ」
ウォーケン少佐
「無論、物流も滞り、市民生活は元
より兵器の運用も脅かされている。
これではBETAと戦えない」
ウォーケン少佐
「そこで政府は、現在衛星軌道上に
建造中の第五計画用施設から、資材
の調達を行う事を決定した」
ウォーケン少佐
「我々は貴官らと宇宙に発つが、
その後は別行動となる。これは
香月司令も了承済みだ」
ウォーケン少佐
「その代わり、軌道降下に必要な
シャトル等の配備には最大限の
協力をするという条件だ」
『誰』
「そう…ですか。米国が今そんな
事になっていたとは…」
ウォーケン少佐
「しかし、その謎を解き明かす為に
貴官らがオリジナルハイヴに再び
臨むという事も理解はしている」
ウォーケン少佐
「米国としても根本問題の解決こそ
最優先と位置付けているのだ。
そこで――」
リリア
「我々海兵隊が、軌道降下作戦に
参加します。小規模ではありますが
お力にはなれるでしょう」
『誰』
「そうか、なるほど…。いや十分に
心強い。宜しく頼む」
リリア
「早速ですが大尉、時間がありま
せん。連携確認のため、シミュ
レーター訓練をお願いします」
『誰』
「そうだな、休んでいる暇はない。
15分後にシミュレータールームに
集合だ」
『誰』
「米国海兵隊…噂に違わぬ実力だ。
シェルベリ中尉、素晴らしい腕前を
見せて貰ったよ」
リリア
「ありがとうございます。ですが、
納得出来ない部分があったので、
もう1回お願いできませんか」
『誰』
「それは構わないが…失礼ながら、
どこか思い詰めていないか?もし
よければ教えて欲しい」
リリア
「…そう見えますか。まだまだ未熟
ですね。私は立派な仲間達のおかげ
で生き残らせてもらったんです」
リリア
「本土にハイヴが出現した事で、
攻略に核を使用できない米国は、
ハイヴ突入作戦を決行しました」
リリア
「しかし我々にそのノウハウは不足
しています。被害は拡大し続け、
私の部隊も私以外全滅しました」
リリア
「私を逃がしてくれたダリル隊長、
そして守ってくれたコリンズ少尉、
その他多くの仲間の想い――」
リリア
「私はそれを胸に生き続け、必ず
仇を取りたいんです」
『誰』
「そうか…話してくれてありが
とう。辛い事を思い出させて
しまったようだ」
リリア
「いえ、私も想いを新たにでき
ました。それでは、もう1度、
よろしくお願いします!」