中国・オリジナルハイヴ隔壁
篁唯依
「第2隔壁まで残り300!
BETAの数、およそ250!
…少ないですね」
『誰』
「いや、偽装横坑に気をつけろ!
いきなり出てくるぞ!」
篁唯依
「大尉、言っているそばから!」
『誰』
「極力相手をするな!まずは隔壁に
到達する。そこから俺が戻って
奴らを蹴散らす!」
篁唯依
「了解!」
「………」
篁唯依
「大尉、隔壁に到達!
これより開放作業に入ります」
『誰』
「了解、俺は戻ってBETAを迎え
撃つ!」
『誰』
(できる限り殲滅しておかないと、
俺が抜けた後、中尉の部隊では
守り切れない可能性がある…)
篁唯依
「よろしくお願いします!」
『誰』
「くそ…小規模とは言え、絶え間
なく湧いて出られると負担が
大きい」
『誰』
(俺とした事が焦ったか…。
隔壁内はBETAの脅威が低いと
高をくくっていた)
『誰』
(この状態では、第二隔壁を
手負いのファング中隊だけで守る
のは不可能だ)
篁唯依
「――『誰』大尉、隔壁は
間もなく戦術機が通れる程度に
開放されます、お戻りを!」
『誰』
「――了解!」
「………」
『誰』
「篁中尉、俺が隔壁を抜けたら、
一度第一隔壁に戻れ!
崔中尉達と合流するんだ」
篁唯依
「え…そんな事をしたら第二隔壁は
閉まってしまいます。大尉が中に
閉じ込められますよ!」
『誰』
「その方が安全だ。帰る時にまた
開けてくれればいい」
篁唯依
「中の様子も不明、退路も断たれる
など危険極まりありません!隔壁を
開放するには時間がかかる――」
『誰』
「だが第二隔壁にもBETAは押し
寄せてくる。中尉だけでは抑え
きれない!」
『誰』
「俺が任務を達成した時、中尉が
全滅していたら、誰が第二隔壁を
開けてくれるんだ?」
『誰』
「――隔壁と中尉の機体が見えた!
俺はこのまま突っ込む。議論の
時間は終わりだ!」
篁唯依
「く…確かに仰る通りです。わかり
ました。大尉が隔壁を抜け次第、
第一隔壁まで後退――」
『誰』
「――なにぃっっ!?
隔壁が閉まり始めている!!
篁中尉!!!」
篁唯依
「大尉!緊急回避を!そのままでは
激突します!」
『誰』
「な、何が起きた!?」
篁唯依
「開閉剤注入中の機体が――
背負っていたドロップタンクごと
撃破されましたっ!」
『誰』
「な、何だって!?
どこから――何だ、あの足元で
うごめいているものはっ!?」
篁唯依
「超巨大なBETAです!
な、中から…
無数のBETAが!!」
『誰』
「か、隔壁は――」
篁唯依
「無理ですっ!
もう…………通れません!!」
『誰』
「そんな…………
何て…何て事だッッッ!!!」