日本・九州地方
神宮司まりも
「全部隊、旧大分県に上陸。
――!?
司令、救援要請です!!」
香月夕呼
「…朝鮮半島からの南下組か。
ここまで来れるなら拾ってやると
伝えなさい」
『誰』
「――司令!?
それは見捨てると言うような
ものです!」
神宮司まりも
「北九州市の南、旧須野村付近に
BETA群を多数確認。向かえば
交戦となってしまいます」
『誰』
「…くっ。我々にそんな余裕は
ない。俺達にはどうすることも
できないのか…」
神宮司まりも
「司令!部隊指揮官を名乗る、
日本帝国斯衛軍・篁唯依中尉から
通信が入っています!」
香月夕呼
「タカムラ…ユイ?
その名前どこかで…ああ。
ふうん…あの子ねえ…」
『こちらは日…帝国斯衛…第…
篁…である!』
『誰』
「香月司令、ご存じなんですか?
帝国斯衛軍に知り合いが…」
香月夕呼
「ちょっとした有名人よ。
『誰』!あんたやっぱり
救援に向かいなさい」
『誰』
「え――!?」
香月夕呼
「それに旧須野村のBETAも
気になる。何故そんな所に…。
ついでに見て来て頂戴」
神宮司まりも
「大尉、お疲れ様でした。
篁中尉の部隊も収容済みです」
香月夕呼
「『誰』、研究施設が
あったって?やっぱりね。
ちゃんと破壊したでしょうね?」
『誰』
「勿論です。無人でしたし。
しかし何故、研究施設があると
わかったんですか?」
香月夕呼
「確率時空をこれだけ歪ませる
なんて無茶苦茶を可能にするのは
人類の力じゃ無理だから」
香月夕呼
「BETA由来の技術を使えば、
そこにBETAが寄ってくる…。
ま、そういうことよ」
『誰』
「…よくわかりませんが、所在の
不明な施設を発見するヒントには
なりそうですね」
香月夕呼
「さ~て、あたしはあんたが
持ち帰ったデータを分析するわ。
まりも、後は任せたわよ」
『誰』
「了解!では準備が整い次第
出発します。鹿児島から沖縄へ
渡ります」