南アフリカ・コメキー
『誰』
「よし、あらかた片付いたな。
全機、被害状況を報告せよ!」
篁唯依
「こちらファング1、損害データを
送ります。こちらは軽微ながら、
欧州連合軍の被害は甚大です」
篁唯依
「彼らはまともな補給も受けて
いない状態で我々の支援に入り
犠牲となりました…」
『誰』
「くそ…!食い散らかしやがって
化け物どもめ…!人間を
何だと思っている…!」
『誰』
「とにかく一度話がしたい。
欧州連合軍の指揮官は誰だ?
応答願いたい――」
篁唯依
「『誰』大尉!
あそこを見てください!衛士です!
追われているようですが…」
『誰』
「あ、あれは――あの人は!
どうしてここに…」
神宮司まりも
「……ッ!」
篁唯依
「兵士級に追われている…!」
『誰』
「神宮寺軍曹ぉぉぉ…ッ!!!」
篁唯依
「敵BETAの全滅を確認。
何とかなりましたね、大尉」
神宮司まりも
「戦術機が大破してしまい、機を
捨てて脱出したところを運悪く
奴らに見つかった。助かったぞ」
『誰』
「数瞬遅れていたら、兵士級に
頭をもっていかれそうだった。
ひやひやしたぞ…」
神宮司まりも
「私は帝国軍所属、神宮司まりも
少佐だ。帝国軍欧州派遣大隊の
指揮を執っている」
『誰』
「へえ、俺の知っている
神宮寺軍曹とは経歴も所属も……
少佐…!?」
『誰』
「し、失礼しました!自分は
『誰』!階級は大尉で
あります!」
神宮司まりも
「よろしく『誰』大尉。
さっそくだが…私の隊はほぼ全滅
している。そこで――」
神宮司まりも
「指揮権は大尉に委ねる。我々を
同行させて欲しい。無論貴官の
指揮に余計な口は挟まない」
『誰』
「了解しました。補給を受ける間
アフリカ情勢の詳細を
お聞かせください」
『誰』
「全機!補給と機体点検を急げ!
バオフェン中隊との合流に
向かう!」