エジプト・カイロ基地シャトル発射台2 目錄 中国・オリジナルハイヴ地表1

中国・オリジナルハイヴ上空




――高度500km
     地球周回低軌道



『誰』
(ウォーケン少佐は、無事目的地に
到達できただろうか…?
それを願うばかりだ)



『誰』
(それにしても俺達は、何回地球を
回ればいいのか…。状況がさっぱり
わからないな…)



『誰』
(主機も落ち、最低限の機能しか
生きてないからな。正直宇宙に来た
という実感すら薄い)



香月夕呼
「――全員お待たせ。いよいよ
再突入よ。詳細を伝えるから
よく聞きなさい」



『誰』
(――来た!)



香月夕呼
「オリジナルハイヴ近辺に光線級は
確認されていないわ。奇跡的な幸運
なのか別の理由によるものか…」



『誰』
(桜花作戦であらかた倒したしな。
BETAの生成にはG元素が必要
だと司令は言っていたが――)



『誰』
(それも殆ど失われた筈。つまり
再活性化する際、BETAは質より
量を優先した…という事か?)



『誰』
(…その物量こそBETAが脅威
たるゆえんだが、今は逆にそれが
幸いしたのは皮肉と言うべきか)



香月夕呼
「――とは言え油断はできない。
座標を分散して降下後、地表で合流
して頂戴」



香月夕呼
「合流し次第、所定の座標に
向かいなさい。光線級はいないから
と言って楽観はしない事ね」



『誰』
(分かってるさ。その分他の
BETAで溢れかえっている筈だ。
やられてたまるか!!)



香月夕呼
「――『誰』」



『誰』
「――ッ!?
は、はい!」



香月夕呼
「あんた達には期待しているわよ?
必ず結果を持って来なさい。
――人類のためにね」



『誰』
「はっ!任せてください。
必ず期待に応えて見せます!」



『誰』
「――全機、再突入開始ッ!!」



『誰』
「うおおおおお――」



『誰』
「おおおおお――――ッ!!」



『誰』
「――見えた!オリジナルハイヴ!
全機地表到達までの間、銃弾の雨を
降らせてやれっっ!!」








『誰』
「こちら『誰』、降下座標に
到達!合流地点に向かう!
光線級は確認出来ない!」



篁唯依
「ファング中隊降下完了!
こちらも光線級は確認できず。
移動を開始する!」



崔亦菲
「暴風中隊同じく!
それにしても、BETAの数が
想定より少ないわね…」



篁唯依
「ハイヴの中で待ち構えている
のかもしれませんね」



『誰』
「地上のBETAで全部かも
しれないぞ?」



崔亦菲
「そういう楽観って、大抵の場合
叶わないんですよね~~」



『誰』
「ま、気休めにもならなかったな。
とにかく油断するな!合流地点で
無事に落ち合おう!」



「「――了解!!」」



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