エジプト・アシュート近郊砂漠地帯
『誰』
「これがエジプトの砂漠か。話には
聞いていたが、本当に地平の先まで
砂しか無い。太陽も輝いている」
『誰』
「もしこんな所でエンジントラブル
でも起きたら死ぬかもしれないな。
サンオイルは未所持だぞ…」
『誰』
「それよりアイヒベルガー少佐が
用意してくれた増援との合流地点、
アシュートまであと僅かだが…」
『誰』
「ん?あの光にこの音。…砲撃!?
…BETAと交戦中の部隊を視認!
全機これより支援に入る!」
………
ブリギッテ
「…援軍か!?いや、違うな。
指揮官機は『誰』大尉と
お見受けする!」
ブリギッテ
「西独陸軍第44戦術機甲大隊
ツェルベルス所属、ブリギッテ・
ベスターナッハ中尉です!」
ブリギッテ
「現在は、ローテ中隊第3小隊と、
アフリカ連合軍及び欧州連合軍の
混成部隊を指揮しています」
ブリギッテ
「以下、オアーゼ中隊、貴官の
指揮下に加わります!」
『誰』
「彼女達が少佐の約束してくれた
増援か。了解!オアーゼ中隊、話は
BETA共を片付けてからだ!」
ブリギッテ
「了解。オアーゼ2!Mk-57の
威力、新しい指揮官殿に披露しろ!
仲間の背中は撃つな!」
イルフリーデ
「オアーゼ2、了解ですわ。
良い所、見せちゃいま…って!?」
イルフリーデ
「味方は撃ちませんからね……?」
ブリギッテ
「馬鹿め!私の眼から逃れられると
思ってるのか!?撃破!よし、
BETAの全滅を確認!」
イルフリーデ
「さすが、小隊長。凄い勢いで
スコアを伸ばしていますわね!」
ブリギッテ
「今は中隊長だ。小隊長ではない
と言っているだろう。それより、
噂通り良い腕ですね、大尉」
『誰』
「ありがとう。ツェルベルスの
キミ達こそ、驚くほどの腕前だ。
…ちなみに噂とは?」
ブリギッテ
「大尉も御存知のジーク様…いえ、
ファーレンホルスト中尉から
今度の指揮官は…その――」
ブリギッテ
「腕良し、声良し、見た目良しの
ナイスガイ大尉と聞きましたが。
噂に嘘偽りなしですね」
『誰』
「…なんだそれは?ナイスガイ!?
噂の一人歩きも甚だしいぞ!?」
ブリギッテ
「ご謙遜を。それでは、まず前線の
カイロ基地にて機体の防塵処理及び
補給を受けるように進言します」
『誰』
「砂漠戦を考慮しての防塵処理か。
ところでファーレンホルスト中尉
からは――」
『誰』
「欧州派遣軍の部隊もここに駐留
していると聞いていたんだが…」
ブリギッテ
「それでしたら、現在出撃中です。
数日すれば戻ってくる事でしょう」
『誰』
「そうか、わかった。
よし、全機!カイロ基地へ向かう!
シャワーは順番に使え!」